ビッグデータ活用支援サービス : バリューパワー社


友人のコンサルティング会社に面白いサービスを紹介してもらいました。ビッグデータの構築だけでなく、既に蓄積したビッグデータを実ビジネス用に加工処理して、具体的な解析結果を提供するサービスで、「インターネット情報提供サービス」として低料金で提供しています。

具体的なサービス内容ですが、同社http://www.valuepower.co.jp が企画・販売し、提携するインビオ社 http://www.invio.co.jp が開発・運用するクローラーエンジンを使って、インターネットで公開されているビッグデータを収集し、データベース化しています。この仕組み自体は、顧客がビッグデータ解析システムを構築する支援する為のものです。そして自らも、膨大な数のサイト情報やGPS、SNS、ニュース、ブログなどの情報を収集しています。ビッグデータ解析システムを構築しようとする顧客が、社内データだけ整備すれば、社外のビッグデータは既に用意できていることになります。

ポイントは、社外データだけで入手できる貴重な情報も様々だということです。聞いた事例ですと、一昨日から昨日の間に、都内のある地域で新規に設立された企業、例えば介護サービスの事業者を抽出します。そこには、介護に必要な備品の調達から、人材の採用、短期の資金手当てなどの様々な営業の機会があります。その機会をねらう営業会社からすれば、早い者勝ちですから、朝にリストを受け取って電話セールスをかけます。重要なことは、ある時点での静態情報ではなく、差分から得る異動情報だということです。電話番号の異動情報サービスと合わせて使えば、個人や企業の異動情報がリアルに近いタイミングで入手できます。地図情報とマッピングすることもできるでしょう。ただ、ビッグデータをかき混ぜて、価値ある情報が出てくるのを待つか、ターゲットを絞って、確率の高い仮説に基づいてヒットする対象を抽出するかは、とても大きな違いです。自分でビッグデータ解析システムを作ろうとすれば、大変な費用がかかりますが、こうした使い方であれば、一回数万円で済んでしまいます。

IT業界やメディアはビッグデータを大きな営業チャンスととらえて、いろいろなキャンペーンを張っています。しかし、金融界では大きな動きになっていません。大手クレジット会社等は以前から同様の分析を進めてきましたし、銀行や保険ではミートする使い方が見つかっていません。ネット系や大手小売系の新設銀行では、すでにグループ内で利用されており、それを聞いた銀行トップがシステム部門に「ウチでもできないか?」と質問します。しかし、システム部門としてはコストと手間に見合うだけの利用シーンや効果がイメージできません。筆者も多くの金融関係者からビッグデータへの対応方針について質問を受けますが、「何に使うの?」と聞くと話が途絶えます。そこで「頭取には、隣がピアノ買ったからといって、自分も買うようなもの。床の補強や防音工事までしても、誰も引く人間がいません。と答えたらいかがですか。」と答えています。でも、これからは、「こんなサービスがあります。それと社内データを旨く組み合わせる仕組みを試行錯誤しながら作ったら面白いですね。」と答えようと思います。

ビッグデータを解析する技術は、多面的かつ超スピードで進化しています。最大の問題は、データの蓄積です。構造化されていないデータであるばかりでなく、公開や更新のタイミングがバラバラで、折角の貴重情報はPDF化されて取り込めない、重複情報や不良情報も多い。知的財産権を侵害する恐れのある情報もあります。膨大なデータから、こうした情報を手作業で整理することは不可能なので、結局は集めても使えないということになります。一方で政府はオープンデータと称して、情報公開を進める予定です。何らかの準備を進めておく必要はあるでしょう。収集したデータをクレンジングし、超高速で自社が使える形式に変換する、差分を出す仕組みと自社データと連動させる仕組み。そして何よりも重要なのが使う目的を整理して使いこなす人間を育成しておくことです。その為に、この「インターネット情報提供サービス」は手軽で役にたつと思います。

最近はタブレットを配られてもコンテンツはカタログだけとの不満や、今更ながら地図情報システムで渉外支援をなどという話を頻繁に耳にします。住宅ローンやカードローンの販売には、ネットよりもポスティングの方が数段効果的という話も聞きます。一挙に変えるのは無理だとしても、アナログ・ベースのプロセスにデジタルの可能性を取り込む必要があるでしょう。

                                                 (島田 直貴)