レガシーリホスト(TmaxSoft社のOpenFrame


皆で見ぬ振りして、自分が担当から外れるの待つシステムがあります。こういうと、いかにも無責任に聞こえるのですが、そうせざるを得ない。大手企業や中央省庁に数多く残る汎用機上のアプリケーションです。特にバッチ・プログラム。大手金融機関で言えば、膨大なバッチ・ジョブがあり、運営上の技術承継やコストが大きな課題です。
時として、オンライン障害の原因にすらなる。更に、グループ関連会社のアプリケーションは、再構築する予算も得られず十数年前のプログラムが使われています。業務上では若干変更したいが、ドキュメントが古くて触れない。
一方で、
IBM以外のベンダーは汎用機から撤退したか、いつ撤退するか予測がつかない。リライトしたくても、経営からは予算が貰えない。こうしてレガシー化したアプリケーションが、金融業界だけで十億ステップ以上動いていると推測できます。

レガシーマイグレーション。一時、ブームになった手法です。ラッピング、リホスト、リライト、リビルドと区分されることが多い。業務仕様、ソフト仕様、プログラム、UIを変更する、または、作り直す程度によって手法の呼称が変わります。レガシーマイグレーションが余り普及しなかったのは、そう単純ではなかった、マイグレーションするくらいなら新規開発した方が安全で早い、場合によっては安いと考えられたからです。
そうして、汎用機に残ったアプリケーションで、塩漬け状態になったものが多いのです。勿論、大型汎用機に向いたアプリケーションは、当然ながら、今後とも大型汎用機上で成長していくでしょう。この場合は、レガシーシステムと言うのは失礼というものです。
塩漬けアプリは、逆に枯れた業務であり、無理してリライトする必要がない。ただ、ハードや
OS、ミドルウェアの保守費や水光熱費が勿体ない。運用要員の手配も段々難しくなるような問題は解決しておきたいというニーズは想像以上に大きいようです。

そこで役立つのが、リホストという手法です。今回紹介するTmaxSoft社のOpenFrameというリホスト・ツールは従来のツールと大分異なります。

http://jp.tmaxsoft.com/jsp/company/

具体的には、下記のようなことです。

*プログラム等はツールで自動的にオープン環境に移行させる。
対象言語は、COBOLPL/IEASY等だが、アセンブラーは対象外。

IBMだけでなく、日立、富士通機にも対応する。

OSHP-UnixAIXSolarisRedhat等に移行するが、DB/DC(IMSCICSAIM)AP言語(アセンブラ以外の殆どの言語)、画面、JCLSORT、3270エミュレータなどはOpenFrameが同等機能を提供、あるいは、TP-Monitor上でインタフエースを提供して汎用機上と同等の安定稼働が可能。

そして何より他のツールと違う点は、

*書き換えではなく、汎用機コンパティブルのインフラを用意して、そこにユーザーのソフト資産をそのまま載せ替えるだけ。ですから、汎用機スキルや人材を継続して活用できる。

まさに、逆転の発想です。その結果、汎用機に関わる保守費やPPライセンスフィーが不要になるだけでもありがたい。

金融機関は、直ぐに実績を聞きたがります。良く参照される実績は、預金保険機構(リホスト・ベンダーは日生NIT)、野村証券(NRI)があげられています。
開発ベンダーの
TmaxSoft社は韓国のベンダーなのですが、申し訳なそうにIMS/SAILは対応できないと言います。理由は簡単です。二十数年前、韓国の大手銀行は軒並み、日本IBMの金融向けミドルウェアを採用しましたが、簡易版のCAPを使って、SAILは採用しなかったからです。レガシーマイグレーションで、韓国の金融界から大型汎用機は一掃されてしまいました。
IBMで金融向けミドルェアの営業企画を担当した筆者としては、このOpenFrameというツールは敵のような存在ですが、考え方によっては、過去の資産を整理する強力な武器であります。

リホストしても従来の運用手順はそのままですから、簡単にクラウド化できる。仮想化してサーバー統合しても良いでしょう。更に、運用コストを下げることができる。新規投資を抑制している金融機関にとっては、新たな財源発掘の手段にもなります。

問題は、現行システムを分析して、リホスト・シナリオを作る分析作業とリホスト後の検証テストに必要な人材と費用です。人材は汎用機に精通したベテランに、若手技術者をつけてチームを作る。
更に、各アプリケーションに精通した金融
OBが検証テスト計画を作成するといった新旧技術者のコラボ態勢を作る必要がある。一般的に若手技術者は、汎用機のことを知りません。
JavaCだけでは月50万〜60万円程度しか稼げませんが、汎用機は、いまや希少技術ですから数段高い料金が得られる。若手は、汎用機を消えゆく技術として、リホスト作業を敬遠するかもしれません。しかし、仮にリホスト対象ソフトが10億ステップあるとすれば、その再構築費用換算で2兆円近い資産価値となります。
この市場は簡単には無くなりません。長期安定した収入基盤を確保できると同時に、アプリケーション・スキルを受け継ぐことができます。若手がチャレンジする価値は十分あります。汎用機ベンダーには、カニバリズムとなりますから、彼らとの競合は発生しません。

更に、リバース・エンジニアリング・ツール(以前ご紹介したReversePlanet)Xupperのようなツールを使えば、現行システムの分析や文書化などを飛躍的に効率化できるでしょう。
こう考えると、新旧技術とアプリケーションを組み合わせた、
ITエコ・システムが実現できます。更に、リホスト費用に対してフィナンス機能を付加すれば、ユーザー企業にとっては、リホストした途端に運用コストの削減が可能となります。
今回ご紹介する
OpenFrameは、このエコ・システムの中核的ソリューションとなります。販売代理は韓国系ソリューションに実績のあるアーネスト・ビジネス・ソリューション社が行います。

http://www.earnest-business.com/activity/openframe01.htm