ストレージ資産管理ツール 「ファイルセンサス」


1999年に米国で設立されたIntermine社のFileCensusという製品を紹介してもらいました。

SAN/NAS、RAID、CD/DVD、DDS/DLTなどのメディア別にファイルを適正配置するツールということで、最初は、ストレージ販売促進ツールを思い込んでしまったのですが、よくよく聞いて、機能を調べ、デモを見ましたら、随分と面白い使い方が考えられると思いました。従来のSAN/NASストレージ管理ソフトやリプリケーション・ソフトとは違って、ストレージリソース管理(SRM)と分類される製品です。類似製品もありますが、この製品は、昨年に米国でストレージアワードを受賞しただけのことはある機能を備えています。また、導入コストが安いのも魅力的です。

筆者がコンサルとして、IT導入計画立案をしている際に、ベンダー各社からのプロポーザールを比較検討することがあります。オープン系ですと、総額に締めるハードの比率は30%以下で、アプリが大きい場合には15%程度ということが珍しくありません。ただ、そのハードの中でストレージの占める比率の高さには驚きます。ましてや、レガシー・システムにおける追加費用では圧倒的にストレージです。安いし壊れなくなったからストレージを容易に導入できることは確かですが、それにしても大きな投資配分を受けているものです。

しかし、一方では、増えつづけるストレージ投資に「使いもしないデータを無制限・無計画に貯めている。」と経営者が怒っていることは確かですし、管理されない状況で増えたファイルのためにバックアップや情報漏洩対策などの施策は複雑化、困難化しつつあります。ストレージ管理のための間接コストも大変なものでしょう。

また、ダウンロードしたファイルをユーザー部門が加工すると、その直後に基幹ファイルとの整合性を失ってしまい、それが勝手に使用され、自己増殖し続ける状況は恐怖とも言えます。CIOが、ユーザー部に分散したファイルに責任を持たないというのであれば、Informationではなく、HostのProgramを管理するという意味でCHOかCPOに名称変更が必要となります。

FileCensusの基本的機能は、ネット上のサーバー、異機種ストレージにおけるファイル・データを一括管理できることです。つまり、対象ファイルをスキャンしてメタデータを収集、ストレージ内のデータを可視化します。その結果、ディバイス別、ファイル別、ディレクトリー別、ユーザー別、アプリケーション別などでストレージ利用状況を時系列で把握できます。

集めたデータを様々な視点から分析管理する機能を備えています。例えば、利用されていないファイルの特定やキャパシティ不足になりつつあるストレージなどの情報を随時に入手できます。ユーザー別にもファイル利用状況がわかりますので、異動・退職などによる担当者変更にも適切な対応が可能となります。

このツールの利用方法として、いろいろ考えられますが、代表的には以下のようなものでしょう。大手金融機関では、こうした管理用プログラムを自社開発すべく検討中のところが多いようです。

@即効性のある使い方として、不要なファイルを消去することでストレージ投資を削減できます。追加投資を抑えたり、撤去して保守料金を減らすのです。

A大手金融機関には数百(定義によっては数千の)サブシステムがあります。それらにどんなファイルがあり、どう使われているかを把握する。エンタープライズ・アーキテクチャが普及しつつありますが、データのモデリングやファイルの整合性管理の態勢なくして、統合アーキテクチャの実効性はありえません。

B各ファイルが誰によって、どのように使用されているかをモニタニングすることです。属人化しやすいファイルを組織的管理できるとともに、機密情報管理にも応用できます。ストレージ・コストを部門配分する際の算定基準にも使えるでしょう。

C情報をライフサイクル管理することで精度と機密性を管理する。新たにデータを集めることには熱心な企業が多いのですが、その鮮度を保ち、不要になった場合に完全消去する態勢を完備している企業は少ないようです。また、使用されることは滅多にないが、法的に保存が必要なファイルはオフライン・アーカイブ化する(自動的に行なうツールもあります。)と、費用抑制と同時に漏洩リスクを下げられます。

FileCensusは、ネットワーク上にプライマリーサーバーを設置し、Windows,UNIX,Linuxのディレクトリをエージェントを使って参照することでデータを収集します。導入は簡単で、対象サーバーが10前後の場合は、半日もあればデータ収集を始められるそうです。収集データは圧縮しますし、特殊な高速エンジンを搭載しているので、ネットワークや既存アプリケーションへの負荷影響は殆どないとのことです。

日本では、デジベリー社が総販売代理を行なっています。http://www.digiberry.com/intermine/