Web画面作成支援ツール(TSForm)


ブラウザでWYSIWYG電子フォームを表示するツールがあります。JavaでWebベース・システムを開発する際の強力な開発支援ツールとして使えるでしょう。現物帳票並みの見易く、安心感を与える入出力画面を提供できます。テラステーション株式会社のTSForm2 for Javaという製品です。携帯でホスト接続したデモでしたので回線速度は64k以下でしたが、レスポンスの問題は全くありませんでした。サーバーライセンス料金250万円ですので、クライアント料金や開発ツール料金を加えても、新規開発することに比べれば、比較にならないほど安く済むユーザーインタフェースと言えます。

http://www.TerraStation.co.jp

大手金融機関でJavaを使った大規模開発が数多く行われています。いわく“コンポネント化” “オブジェクト指向開発” “Webベースのシステム開発”などと称される開発です。正直なところ、計画段階で想定したように順調な開発を行っているケースはありません。プロジェクト見直しや担当ベンダー変更が頻繁に行われています。コンポネント化の設計上の問題やJavaの難しさ、ユーザーインタフェースの煩雑さなどが原因です。インフォメーション・エンジニアリング理論(理想解であることは確かですが)と実装技術の乖離があるのでしょう。処理ロジックの部品化を目指しても、データの正規化から逃げてしまうことも大きな障害を残す結果となっています。

TSFormは、「Web上で帳票イメージの入出力を可能にするリッチコンテンツ生成エンジン」というのがうたい文句です。HTMLフォームは、入力に便利な機能を備えてはいますが、いかにもデジタル的というか、貧相というか。現物帳票に馴染んだ金融業務では、信頼感に欠けます。結果として後日、現物帳票の受け渡しを行うこととなり、STP化できないばかりでなく、新旧メディアによる二重処理になりかねません。

現物相当の帳票イメージをWebアプリケーションで実現する方法としては、特別なプラグイン、専用ブラウザ、Javaアプレットなどの方法が主流です。これらはJava開発の負担を増したり、ユーザビリティを劣化させる原因となっています。TSFormでは、TSdesignerで開発(GUIでオブジェクトを配置するだけで済むことが多い)した帳票を、J2EE Appl.ServerのTSForm EngineにJSPファイルとして登録するだけです。オブジェクトに対して、JavaScriptによるバリデーションチェックのロジックを組み込みます。IEあるいはNetscapeのクライアントからは、通常のブラウザ操作で入出力処理ができます。レスポンスを確保するために、GZip圧縮を使って、HTMLテキスト送受信に比べて10分の1程度にダウンロード・コードを圧縮します。

ブラウザで馴染んだコンボボックッスやチェックボックス、ラジオボタンなどの機能も揃っています。加えて印鑑イメージなどのグラフィック機能、リスト形式の選択ウィンドウ、TRC機能を使った郵便番号からの住所表示機能なども可能です。エンドユーザービリティの為の機能を揃えたユーザーインタフェースと言えるでしょう。

J2EEが動作環境ですので、マルチプラットフオーム対応できることも重要です。金融業務のユーザーは、顧客サイトに外延化しています。社内ユースでもモバイル環境の必要性が増しています。メディアによってユーザーインタフェースを作り直していたのでは、開発コストの重複負担が大変なことになります。

IT化は、ハードメディアの進化によって、益々使いやすく、早く、廉価になっていきますが、究極の課題は、プログラム開発不要ということでしょう。つまりソフト開発と保守が要らずに、ビジネスユーザーが自ら、業務ロジックを物理イメージで指定していけばアプリケーション構築ができることが最終目標となります。一朝一夕で、そんな世界が到来する筈はありません。20年ほど前から試行されてきた、プログラムレス開発やCASE開発がさして普及しなかった理由は、余りにベンダー依存が強かったことでしょう。結果として使い込み不足となり、悪循環に陥ったのです。今日では、オープン環境が当り前であり、これまで実装技術を実質的に支えてきた中小ソフト開発業者が、経験やノウハウを活かして、実用的なツールを開発しています。ITの実権が、大手ハードベンダーと企業IT部門から、実力派中小ソフト会社とビジネスユーザーへと、急速に移りつつあるようです。

IT技術者の将来は、開発関連スキルによって製品開発・ソフト部品開発に特化するか、データやプロセスをモデリングしつつBPR業務設計に特化するかに分化していくように思えます。ビジネスユーザーやITプラニング部門としては、こうした大きな流れとソフト関連の技術や製品動向を睨んで、IT計画を立てることが戦略的に重要です。