アーカイブ・ストレージ (Plasmonライブラリー)

本年よりマネロン対策としての本人確認厳格化が始まりました。金融機関は顧客の膨大な身分証明書類を確認・保管する義務が課せられています。口座開設のみでなく、200万円以上の資金移動にも、本人確認を行なう必要があります。

一方で、提携カードやコンビニ出納など引き落とし契約や口座振込の関係者が複雑化しており、クレーム発生に至るケースも増加しています。また、投信や変額年金の窓販など、元本非保証の商品を販売する場合には、顧客から元本割れリスクを受容する旨の確認書授受・保管が必要です。

インターネットや電話などでダイレクト・チャネル化が進んでいますが、その裏側では、顧客との書類が増大しており、その保管・管理には大変な労力が必要となっています。ハイテク化の一方で、ローテクの負担が増大しているのですから、金融機関にとっては、収益性の圧迫要因であるばかりでなく、オペレーショナル・リスクが増大しているとも言えるでしょう。

アーカイブ・ストレージという技術分野があります。セキュリテイ対策としてのデータ・バックアップとは異なり、法的要請から長期にデータ(イメージを含む)の保存を行なうツールです。

電子帳票の法的証拠能力を担保するには、電子データの入力管理体制、書込み不能メデイア、裁判所へのハードコピー提示の三点が必要です。WORM(Write One Read Many)技術が重要となります。

金融機関は、これまで、もっぱらマイクロフイッシュに保存してきました。しかし、入力作業や検索にかかる労力は大変なものです。金融庁の検査でも入ろうものなら、数週間は本部や支店の役席は仕事にならないと言われるほどです。

最近では、ハードディスクが安くなりましたので、オンライン・デイスクに保存するケースが増えています。しかし、HDやテープのような磁気媒体ですと劣化が起こりますので、10年間程度が限界とも言われています。保存データの品質維持も神経と費用を要します。

これまで、容量やアクセス・スピードから普及の遅れていた光デイスクが改めて見直されつつあります。例えば、米国プラズモン社(http://www.plasmon.com)の光デイスク・ライブラリーは、20テラバイトの記憶容量を持ち、デイスク・キャッシュを使うことで、HD並みのアクセス速度を可能にしています。1GBあたりのハード価格は200円前後ということです。光デイスクですから、保存期間は、半永久です。オープン系基盤で使用できますので、ストレージ・ネットワークを構成できます。日常的にはオフラインで良いが、必要な時にはオンライン検索したいデータをニアライン・ストレージとして使用することが出来るでしょう。

上述しましたように、ハイテク化が進むほど、証明用データや登記簿・写真・音声などの保存が必要となります。データや文書に関するマネジメント・ポリシーを確立する必要があります。また、それを支えるテクノロジーも重要です。しかし、残念ながら、大手ITベンダーが提案する金融システム・コンセプトには、勘定系や情報系という概念はあっても、現物やデータ、文書を全体管理するという概念はありません。結果として、金融機関の後方や現場には、一貫性のない機器やソフトが氾濫しています。個別最適の自動化が、組織全体の効率を落としながら、オペレーショナル・リスクを膨張させているように思えます。



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