モバイルアプリの開発手法 (ガートナーが4つの手法を提案)


前回の当欄でWindows10に関して、ネットバンキング提供銀行が動作確認で困っているとのコメントを書きました。アップした翌日には、1万人近くの方にそのページを読んで頂きました。1日でのビジター数としては、当HP15年の歴史で初のことです。Windows10をテーマに扱ったことと、複数の人がブログ等で紹介してくれたことが原因だと思います。アクセス数に対するブラウザの種類では、Chromeが40%近くでトップです。ただ、バージョンは9〜29とバラバラです。2番目がFirefoxで20%強、バージョンは1.5〜23とこれもバラバラ。3番目がIEで約14%,バージョンは実に4から11までです。更にSafariが約10%で続き、残り16%前後は、聴いたことのあるような、ないような様々なブラウザでした。

弊社のサイトは、極力シンプルで文字ばかりですから、ブラウザやモニターサイズの多様性に、それなりに対応できますが、それでも、スマホで見憎いから何とかしてくれといった要望を貰います。毎回、「そんな暇も金も人もないので勘弁して下さい。」と返信します。これを有料でやっていたら断れません。ネットバンキングなどをネイティブで作ったら、堪らんな〜と改めて痛感します。

8月25日の日経記事を見ていたら、「米国の調査で面白い結果が出た。幼児のテレビ離れが激しく、タブレットで動画を見る方を好む子供が57%だった。親が子供を叱って罰を与えるのに、タブレットを取り上げてテレビしか見せない。」というのです。テレビがお仕置きの道具になっているという。この子たちが大人になる10数年後の主要メディアは何になっているのか?と考えると、変化の速さと幅は想像がつきません。

その頃のモバイル通信網は、G5どころか、G7とかG8でしょう。G5で10Gビット/秒ですから、一体どこまで速い通信網になっているか。書類も複数人が動画上で確認し、生体認証が署名となる。相手はARだけど、その裏にはディープラーニング・マシンといったところなのでしょうか。いずれにせよ、10数年というのは、過ぎてしまうと余りにも短い時間です。こうした予測できない近い将来に向けて、何を準備すれば企業間競争に生き残れるのかを考えておくべきだとなります。

日経コンピュータの平成27年8月20日号GartnerReportで同社のアナリストが、モバイルアプリの需要動向を説明し、開発手法の再構築を提言していました。この提言で十分かどうかは知りませんが、我々個々人が、上記の問題を考える際の良い参考になりそうです。

◇グローバルでのモバイルアプリの需要は企業IT部門の開発能力を越えて伸びて、少なくとも5倍になる。

◇IoT普及により日常的に従業員が使うデバイスは現在の平均3機種から5〜6機種になる。

◇過半数の企業が現在開発できるモバイルアプリの種類は1年で10未満であるが、今後は年100種程度の開発能力を持つ必要がある。

◇先進企業では、こうしたトレンドを踏まえて、開発ツール、アーキテクチャ、プラットフォームなどの検討を始めている。

そこで、ガートナーとしては開発手法に関して次の4点を考慮すべきだと提言しています。

1.新たなルールを作って開発優先順位を決める。

2.ウォーターフォール型とアジャイル型の二つの開発手法を組み合わせたBimodalIT化をはかる。

3.RMAD(rapid mobile app development)ツールを採用して、事業部門でもプロトタイプくらいは作れるようにする。

4.社内外のリソースを使い分ける。特に、ユーザーエクスペリエンス、ユーザー心理、デバイス・テストなどは経験が重要なので外部を活用すべき。

いずれも、革新的な手法ではないのが不満ですが、ハードや通信に比べると、ソフト開発では今後も大きな革新がないと見ているのでしょうか?

開発手法、ツールで大きな進歩がないとすれば、これからのITも人材次第となります。わが国のIT教育の後進性と企業内におけるOJT機会のなさを考えると、ITを使ったグローバルな企業間競争において悲観的にならざるをえません。本日の某新聞に会計大学院の広告特集が掲載されていました。ある有名大学院では、IT+コンサルティン関連の講座をアピールしていましたが、その内容はERPの学習のようです。これを大学院でやるのか?ERPを教材に使うのは良いとして、そのアーキテクチャやインタフェースの取り方などを学ぶのではなく、使い方を教えるのであればプログラミング学校ではないかと思うのです。その大学院だけが問題なのではなく、就職先となる企業側のニーズがそのレベルなのでしょう。

逆に考えれば、この程度の企業との競争であれば、充分に勝ち残れる。しかし、IT先進国やこれから発展する国との競争ではどうなるか。若い人には、やはり、海外留学を進めることにします。

                                 (平成27年8月25日 島田 直貴)