代金回収代行サービス

日経新聞の平成14510日号に日通の代金徴収一括代行サービスが6月より開始されるとの記事が掲載されました。

昨年の8月に当コラムで紹介しましたヤマト運輸の決済サービスの内、ペイメントクレジットに相当する決済方法です。料金も代金6千円以下が300円、以上は代金の5%と同じ水準です。ヤマトのサービスを紹介した時には、同社のIT能力の蓄積があればこその先行だと申しあげました。

日通の事業計画では、今期の決済総額を1千億円と見込んでいます。ヤマトは、公表しているコレクト・サービスだけで、昨年の取り扱い個数5270万個、決済金額7426億円とはるかに引き離しています。決済手数料率を5%とすれば、年間の収入は370億円となります。決済サービスとして、この金額は極めて大きいと言えます。

日通もヤマトも、通販の購入者に対して代引き以外にクレジットやコンビニ入金、銀行振込などの支払い手段を提供し、販売側に対しては代金回収を代行して、一括入金と明細提示を行います。ヤマトは、更にエスクロー・サービスまで提供しています。購入者も販売者も利便性を享受しながら、既存の手段より低コストで決済でき、サービス提供側も大きな収益を実現していることになります。

ヨーカ堂やソニーの銀行業務進出がマスコミの注目を浴びながら、事業としては苦戦しているのに対して、宅配業者は静かに、着々と新規事業の基盤を拡大しています。この位の収入があれば、IYバンクもソニー銀行も黒字になるのでしょうが。数年後にヤマトが銀行を設立したり、行き詰まった新規参入銀行を買収したりすることになれば、大変に面白い動きとなるでしょう。

宅配業者が既に保有している配送網とキャッシュ管理の仕組みを活用して、現金ないしは電子データで決済業務を行うことは、経営資源の多角的有効活用として大変合理的であります。このような考えは20年近く前からありました。しかし、銀行や行政との摩擦を避ける目的もあり、ひたすら代引きサービスに集中してきました。それが、インターネットの普及とノンバンクの銀行業務への参入という環境変化の中で、リアルビジネスと連動させながら小口決済のビジネス化を進めています。銀行としては他業禁止ですので、ただただ羨ましいでしょう。クレジットカードの関連会社を使っての展開にも限界があるでしょう。

何故なら決済は信用、価格、利便性の他に汎用性が重要です。銀行やクレジットカード会社の市場占有率は、寡占化した宅配業界に比べると余りに低すぎて汎用性に欠けます。個人向けフリーローンの二の舞にならないよう銀行の奮起を期待したいものです。