無線LANのホットスポット・サービス

昨年、ある外資系ITベンダーがショップと共同で無線LANを設置し、店内で無料開放したところ予想をはるかに越える好評を博しました。その後、喫茶店などでも導入が進められているようです。

日経新聞(平成14314日号)によりますと、NTTコムなどが4月から順次、商用サービスを開始するそうです。ホテルや駅などの施設に、通信事業者が無線LAN基地局を設置し、利用者から月額1000円から2000円の利用料を受け取って、11M級の無線通信サービスを提供するそうです。

現在でも丸の内あたりのビルには、無料のフリーオフイスがあり、様々な人々がPCを使っています。喫茶店やデパート休息所なども利用目的が急速に変わっていくことでしょう。顧客はコーヒー代に場所代を含めて支払っていますが、それに通信代が入るかもしれません。ホテルなどは、宿泊でも、飲食でもない人達でロビーが占領されることになります。とすれば、当然、入館そのものに料金をかけるような施策を取る所も出てくるでしょう。

また、PDAがより軽量小型化すれば、携帯電話との違いもなくなってきます。モニターは折りたたみ可能な薄膜で、音声認識を装備すれば、画面・KBDの容積は無視できます。また、バッテリーも数段小さくて済むでしょう。例えばMPUをネクタイピン型にして、音声で指示と入力を行い、出力はA4かB4サイズの薄膜モニターを使います。その間は勿論、無線で接続します。いわゆるウエアラブル化です。こうなりますと、金融機関のチャネルは、ますます顧客サイドに寄って行くでしょう。

これまでは、顧客セルフサービス型チャネルへのIT適用が中心でしたが、これからは対面チャネルへのIT適用が増え、外回り営業の戦力強化が進むでしょう。この10年で金融機関は、訪問型営業スタッフを大幅に減少させました。客は、店に来るか、ダイレクト・チャネルを使えという姿勢でした。結果として、顧客の顔が見えなくなってしまいました。今頃になって、CRMと称する顧客DBやコンタクト・チャネルへの投資を積極化してます。地銀でも、CRMと銘打った投資稟議は、簡単に了承されるそうです。その割に、効果があったという実証は見たことありませんし、まつわる失敗話ばかりが伝わってきます。
それでも新聞には、華々しいCRMシステムの記事がたくさん載せられます。大本営発表的なIT戦略は、そろそろ止めるべきだと思います。それとも、被害を認識している人が誰もいないので拙い問題ではないのでしょうか。

十数年前に、「これからの通信は、有線か?無線か?」と尋ねられ、「勿論、有線です。無線では帯域に限界がありすぎますから。」と答えたことがあります。自分のヨミ違いを反省するとともに、技術革新の凄まじさを実感します。が注視すべき新しい情報テクノロジーは100種類以上あるでしょう。それらを用途別に分類すると、例えば次の5種類に分けられます。

@    ユーザーインタフエース
A    アプリケーション
B    データ・アクセス
C    インフラストラクチャー
D    基礎技術

通常は素人受けしやすいので、ユーザーインターフエースに分類される音声認識、ICカード、CTI等が注目されています。しかし、これらは継続的差別化手段になり難い技術です。金さえ出せば誰でも短期間で入手できるからです。
その点、インフラに属する技術は、簡単に採用できません。OOA、システム連携技術、PP、ワイヤレスなどが該当します。導入には、念入りな準備と時間がかかるからです。

新しい情報技術が、自社のビジネスにどのような影響を与える可能性があるのか、自社が抱えるビジネス・イシュー解決に使える技術があるのか。イシュードリブンとテクノロジードリブンの両方からの考察が必要です。金融機関は、双方に精通したプロの育成を急ぐべきでしょう。2年ごとに異動させている時代ではありません。セキュリテイを口実にして、外部とのeメール通信を制約しているようでは、ITデバイドの敗者となってしまいます。