オープン系勘定系システム(NTTデータが富士通、日立と共同開発)


日経BP社のサイト‘IT Pro’に9月1日に掲示されたニュースです。NTTデータが富士通、日立と共同で、メガバンクや地銀をターゲットとする銀行勘定系システムを、オープン系技術を使って共同開発するということです。3社のサイトにも簡単ですがニュースリリースとして公開されています。 http://www.nttdata.co.jp/release/2005/090100.html

3社発表では、何を、どんな体制で何時までに開発するかは明かでありませんが、NTTデータのPORTMICSを適用して、日立のJustware、Cosminexus、富士通のInterstageをシステム基盤として開発に着手するそうです。SOAやESBを中心として各社のソリューション・コンポーネントを適材適所で活用するとも言っています。筆者には、何のことかサッパリ判らないので、機会があれば、3社の誰かに聞いてみるつもりです。誰を対象とした発表かによるのでしょうが、どうせなら、もう少し言語明瞭・意味明確なリリースをした方が良いかと思います。マスコミの扱いも冷ややかになってしまいます。

ITProでレポートした大和田記者も、コメントのしようがないのでしょう。各社の銀行基幹系関連の品揃えを紹介しながら、・・・・する可能性が高いという調子の記事を書いています。以下は、外資系銀行のCIO(A氏)、独立系大手SIerの営業担当役員(B)と筆者(C)の雑談です。

A氏: NTTデータと富士通、日立が銀行勘定系で手を組むそうだ。大きな動きになるのでは?

B氏: いやー、千三つですよ。この種の提携発表は山ほどあるが、成功した例を見たことがない。

C: データが声をかけて、富士通・日立は断れなかったのか、その必要もなかったのかだね。両社ともにNTTデータには頭が上がらないから。最大級の顧客だし。公社時代からの序列を大事にする年寄りが、まだ多く残っているということかな。

B氏: ところで、いまから勘定系を作りなおす銀行があるのですか。

C: ないこともないが、富士通ユーザーの大手地銀が中心でしょう。メガも、当面は現行システムの拡張で行く予定ですし。そもそも、魚が殆どいないんですから、餌ばかり作っても仕方ないので、今回は仕掛けを工夫したというところでしょうか?

A氏: 何故、こんなに抽象的な発表を焦ってしなくてはならないのかな。

B氏: データがどこか大切なお客をIBMかNECかユニシスにロスりそうになって、富士通・日立に援護を頼んだのではないかな?

C: そのような話は聞いていないけど。富士通ユーザー地銀ならありえるけど、それに日立が噛む必要はないし。富士通も日立も何時までも、データに箱を収めて開発にこき使われて、主導権を取られていては、浮く瀬がなくなるだけなんだけど。そもそも今度の発表を、両社の金融本部は知らなかったかも知れない。

A氏: ところで、狙われたIBMはどう出るのかな。

C: 特に気にしないのでは。データとバッティングを起こす場合は、いつも富士通か日立との連合軍だったから。それに、各社持ちよりのツールでは、インタフェースや相性の問題で開発がヤヤコシイことこの上ないし。ビュッフェ・スタイルの飯のようにはいかんでしょ。これに釣られるような銀行なら、付合わない方が安全ですよ。動かんか、動いても利益が出ない。

B氏: それにしても、理解できない発表ですな。その内に、何か出てくるのでしょうが、それを楽しみにしていますか。というのが、要旨です。

提携戦略は、本当に難しいと思います。リーダーがいないと、まとまりませんし。リーダーが強すぎると、ホロアーは面従腹背ですし。これは欧米でも同様で、最近のMBAでは、パートナーリングやアライアンスに関する研究調査が盛んです。

様々なメソドロジーやツールも公開されています。常に参照されているのが日本の製造業です。

トヨタやキャノンなどが、サプライヤーや販売代理店との協業の度合を強めていく手法を紹介しています。最も大切な成功要因として、共通の目標を持てるかということと組織文化などが調和できるかということが挙げられています。その点、IT企業や金融機関はパートナリングが下手です。これからは戦略展開の柱なのですが。