無料のアグリゲーション・サービス

12月6日に米国Yahoo!は、金融アグリゲーション・サービスを無料で開始しました。

http://moneymanager.yahoo.com/

このサービスは、個人用金融資産管理ソフトの基本機能に加えて、口座情報集約サービスを提供します。

1.一回のログインで登録してある金融機関の口座情報を一画面に集約する。
2.支払い期日管理
3.口座振替
4.登録金融資産の時価評価
5.投資分析
6.登録語句関連ニュース配信
7.フイナンシャル・プラニング
8.予算経費の自動モニタリング

などです。

日本では、このようなサービスは有料ビジネスと考えられていますが、やがてヤフージャパンも無料サービスを開始するのではないでしょうか?有料で提供するには、全く新しいサービスか、よほど高い機能を提供せざるをえないでしょう。

課題はセキュリテイと金融機関の情報提供に関する対応です。
セキュリテイは、データの蓄積を顧客のPCに行い、かつPINの管理を徹底してもらうしか当面の対策はないでしょう。日本では、口座集約サービサー経由で自動的に口座情報を提供することには、金融機関がまだ消極的です。前提となるインターネット・バンキングなどの普及も米国ほどではありません。
ただ、金融機関やその関連会社が、急いでアグリゲーション・サービスに参入する必要はないでしょう。新規収益源にはなりませんし、ヤフーのような会社が、本業の販売推進を目的に実施するのであれば、顧客ベース、コストを理由として勝ち目はありません。利用することを考えるべきでしょう。仮にアグリゲション・サービサーが特定の金融機関を営業面の理由で排他的に取り扱うことがあれば、それはサービサーの自殺行為になります。ヤフー以外にも同様のサービサーが出現するように支援すれば、その心配は更に無用となります。

利用するということは、顧客が要求する情報をアグリゲーション・サービサー経由で積極的に提供することです。それで他に顧客を奪われるとしたら、その金融機関は存在意義がなかったということです。情報集約作業そのものは、オープンの世界では、コモデイテイ機能です。ネットで提供できる情報にも相談にも限界があります。FA(FinancialAdvise)の世界はハイテクだけでは不可能です。それだけで済む顧客は大半が不採算顧客でしょう。サービス・ビジネスの本当の付加価値はハイテクに裏付けられたハイタッチにあります。アグリゲーション程度のサービスは有料化できないという前提でネット・サービスの営業戦略への組み込みを考える必要があります。その割には、日本の金融業界に働く人々のネット普及率は低すぎます。セキュリテイを言い訳にして、勤務先で自由に使わせないことも理由でしょうが、インターネットを日常的に使う人は10%にも満たないと考えられます。ましてや、他の金融機関のネット・サービスを利用している人は、殆ど皆無でしょう。IPというオープンな世界で余りに隔離されています。是非とも参照URLで、米国の水準をご確認頂きたい。その上でハイタッチ戦略に結びつける方策を考案されるようお奨めします。

なお、米国における決済制度(小切手・クレジット中心で、デビット方式の決済に対する拒絶傾向が強い。個人の納税も自己申告制で経費や入出金の証明書類が不可欠)とわが国制度との違いから、個人の金融資産管理やアグリゲーションに対するニーズは無いと言う金融マンも多くおられます。当初は一部かもしれませんが、ニーズのある層が与える影響を考慮する必要があるでしょう。ノーアクションにするのであれば、その根拠を明示して結果責任を負うためのモニタリングをした方が良いでしょう。筆者は、金融のコア・サービスは、カストデイだと考えているので、アグリゲーションはそのインフラ機能だと思うのですが。