メガバンク系リース会社の再編


日経新聞1月15日号に、大手銀行が系列リース会社の再編を進めているという記事がありました。現在、リース業協会には、100社強の正会員がいますが、オリックスのような最大規模で独立系は稀でして、大半が銀行系です。あとはNTTやリコー、トヨタのようなメーカー系があるだけです。上位を占めるメガバンク系が合併してしまい、圧倒的多数を占める地銀系も売却等による再編が予想されています。急速に業界構造の変わる産業でしょう。

メガバンク系関連会社では、リースだけでなく、クレジットカード、信用保証、信販、保険代理店などがあります。銀行本体の合併作業が収束するとともに、関連会社の再編が進められていますが、昔からの系列会社が存続していることが多いので、簡単にはいきません。例えば、三井住友で言えば、住友系、三井系、神戸系、太陽系です。それぞれが独特のビジネスルート、人脈、株主構成を抱えています。りその場合は、大和系を三井リースに売却、協和系の昭和リースも売却検討中、埼玉系のあさひ銀リースは、セントラルリースに売却予定ということです。低金利下でリース会社の経営には厳しい状況が続いています。社員数が10名前後の地銀系となると、ますます厳しい会社があるでしょう。りそなと同様にメガバンク系への営業譲渡が増えると思われます。もっとも売れる程の財務内容であれば問題ないのですが。

関連会社再編は、IT業界にとっては銀行本体の合併に匹敵するほどのビジネスチャンスです。何故なら、多くの場合は新規開発になるからです。各社によって業務処理方法が大幅に異なることもありますが、合併を契機にBPRを行なうからです。また、3社、4社の合併ですから、最大規模の会社のシステムを使うとしても、処理能力の不足することが確実なのです。開発主体は、グループ内のIT関連会社となります。銀行システム統合が終わっていれば、新たな仕事が必要ですので、公開入札などにはなりません。とはいえ、これまでノンバンク業務は、IT面で冷遇されており、グループ内に関連業務開発の経験者は殆どいません。業界の企業数が少ないこともあって、ITベンダーの提供するソリューションは、SIコアを含めて何も存在していません。会計処理も、それぞれの業種で独特の基準がありますので、各グループともに苦労しているようです。PMと業務設計のできるITプロが絶対的にいないのです。

銀行本体による営業活動解禁の流れの中で、ノンバンク業務の位置付けが難しい状況になりつつあります。それぞれが、将来事業の機会と脅威を分析して、その存在意義とコンピテンシーを確立しない限り、吸収されていくことは間違いないでしょう。信販会社の不良資産は良く知られていますが、実はビジネスモデルを確立している系列ノンバンクは少ないのが実状です。ITを始めとした新規投資は親銀行に依存せざるをえません。関連会社のIT統合化計画を見ますと、正直なところ、最小公倍の業務機能を、投資効率無視で開発しようとしているようです。新しい事業計画を策定している時間がないのかもしれません。またまた、統合ありきです。

リース業でいえば、物件管理の仕組みと営業方法を提案型に変えるだけで、飛躍的な業容拡大が可能となるでしょう。例えばIT機器をセット購入した企業では、一部機器の置換えは日常茶飯事です。しかし、リース会社では単品管理されていません。営業も殆ど受身で、販売業者か銀行の支店からの紹介を受けて、与信判断をしながら金利競争だけの場合が多いのです。IASで検討されている、ファイナンス・リースの資産計上化案で事業機会が激減すると危惧されていますが、考え様によっては新たなビジネスチャンスになります。

ITベンダーにとっては、銀行本体のシステム統合よりも、はるかに独創的で面白いビジネスが可能な分野です。旧来の営業スタイルでなく、もう少し、ビジネスソリューション指向の営業活動を期待したいものです。金融機関のビジネス・ユーザーは、ベンダーの「お煎にキャラメル販売」には辟易しています。