システム統合(みずほインターネットバンキング)


日経情報ストラテジー6月号によれば、みずほ銀行は、今年の3月10日から個人向けインターネットバンキングのポータルを統一したとのことです。

私は、両行(もうこの表現を止めるべきなのでしょうが)に口座を持ってはおりますが、ネットバンキングは使っていないので、3月まで別々のサービスとは意識しておりませんでした。合併後1年も経つ段階まで、統合できていなかったことは意外です。全体で330万人が、みずほダイレクトの顧客数だそうです。その内の50万人が片方だけのユーザーだそうですから、残り280万人は、両行のサービスを使い分けていたということになります。合併当初は、どの合併銀行も、メニュー・ボタンを青や赤で区別して併存します。利用者の使用実感からすれば、さしたる不便はなかったでしょう。不便を感じる人は、一方に取引を集中すれば良いですし。確かにIDやパスワードの二重管理・使用は面倒でしょうが、ネットバンキングを利用するような人達は数多くのサイトに登録しています。さしたる負担ではないはずです。サービス基本料を二重取りされるのであれば、一方を解約すれば良いでしょう。

両行に口座を持っており、その間で資金移動する時には振込扱いの手数料が必要だったが、サービス統合後は振替扱いとなって手数料は不要だという表現が記事にあります。口座名義人が同じでも、支店が異なれば振込で手数料がかかる筈ですが、記事のような説明が銀行から行なわれたのか、記者の勘違いなのか。店舗が統合された結果、同一店舗に2口座を持つことになれば、その間は振替になることもあります。複数店舗の複数口座がサービス対象で、その口座間の資金移動の場合は記事の通りでしょう。どうも、ネットバンキングが統合されたという発表において、顧客ベネフイットを強調したいあまりの、説明不足のような気もします。

みずほ銀行のホームページを見ましたが、新規にサービスを受けようとする顧客用の説明だけで、既存顧客用の記述は全くありません。恐らく、メールかDMで通知したのでしょう。今後は、取引履歴に応じて、商品案内を電子メールで送るなどして、顧客利便を高め、預金残高や手数料収入の拡大を狙うとしています。銀行がこうした発表をしたのか、記者が勝手に、ワンパターンの表現をしたのか判りませんが、いずれにせよ、広報の拙さを顕わしています。この程度のことで、預金を増額したり、手数料を多く払う顧客はいないでしょう。

それにしても何故、今頃まで一本化できなかったのでしょう。優先順位が低かったとは思えません。システム統合資金も潤沢にありました。時間も両行システム併存決定から2年ありました。技術的問題があったのでしょうか?ネットバンキングのフロント業務は、複雑なものではありません。メニューも、新規なものはなく、旧富士のPayeasyを旧DKBや旧IBJ顧客にも使えるようにした程度です。恐らく、両行勘定系とフロント業務をつなぐ、Webサーバーにおいて、処理能力や、接続プロトコルが面倒だったのでしょう。加えて、些細なトラブルも避けたいために、慎重なテストを繰り返してきたとも想像できます。

統一サービスを提供するのに、技術的制約や障害騒ぎがこれ程の足枷になるようでは、IT部門の技術者もつらい時期が続きます。営業部門や経営陣にとっても、ITがビジネスのイネブラーというよりは、インフイビターになり続ける可能性があります。いっそ全面的にアウトソーシングしてしまう方が、責任を軽減しながら、スピードを確保できるかもしれません。