ITケイパビリティ(SIベンダー評価)

日経マーケット・アクセスは、3月28日に同社のサイトで「企業情報システムパネル調査:システム投資トレンドとベンダーへの期待」という調査結果を公表しました。

http://ma.nikkeibp.co.jp/

当調査は、主としてSIに対する企業の評価を中心に実施されました。349社からの回答を得て、SIベンダーに関する満足度をランキングしています。以下は満足度スコア(回答企業数)です。

日本IBM:67.1(38社) 日立製作所:62.5(18社) 日本ユニシス:62.5(10社)

三菱電機:61.5(13社) 富士通:54.0(56社) NEC:53.2(54社)

という順番です。


また、非常に不満という回答(恐らく、二度と頼まないという企業)は、

日本ユニシス:10.0%  NEC:9.3%  富士通:3.6% で、

IBM、日立、三菱ではゼロです。


非常に満足という企業は、

NEC:13.0%  日立:11.1%  ユニシス:10.0%  IBM:7.9% で、

富士通と三菱電機ではゼロです。


IBMがCMMIのレベル5であることを考えれば、トップになることは意外ではありません。それも、非常に不満足がゼロであることは、高く評価されるべきでしょう。一方で、最近、レベル5を取得したNECが最下位というのは、何を意味しているのでしょうか?

富士通ユーザーの57%が、余り評価していないことは、最近、金融関連でプロジェクト・トラブルが続いていることと何らかの共通原因があるのかもしれません。

NECが非常に満足(13.0%)と非常に不満(9.3%)とバラツキがあるのに対して、三菱電機は、非常に満足も非常に不満足も、ともにゼロです。サービス業では、顧客満足(CS)は最も重要な指標でありますが、手間暇と資金さえかければCSは上がるものです。採算とのバランスをとるのがビジネスです。非常に満足というケースの多くは、ベンダー側は不採算の可能性があります。非常に不満足は、顧客側が大幅にコスト割れしていると思われます。極論しますと、三菱電機のようなCSポートフォリオがベストなのかもしれません。

SIベンダーに対する不満は、圧倒的に二点に絞られます。

@SE料金の高さ:50.7%   A提案力:32.7%  

3番目が、仕様設計力が低い:13.8%ですから、上位2項目に対するウエイトの高さが理解できます。しかし、価格の高さという不満は、CSランクとは逆相関しています。明らかに、CS順位は価格の高い順番になっています。むしろ、提案力がCSランクと相関しているように推測できます。

大手ITベンダーは、数々のCS調査を行なっています。大手数社が共同で実施したり、自社中心で数社の主要競合先とベンチマーキングしたり、自社内調査もしています。それぞれに、比較可能性や、実態への近さなど長所短所があり、なかなか興味深い結果が出るものです。しかし、その調査結果は、機密扱いです。資金をかければ、相当精緻なデータを入手できますが、ユーザー企業が参考にできて低コストのベンチマーク・データは、日経BP社のものくらいです。

今回の調査には、大塚商会やNTTデータ、NRIなども回答結果に載っているようですが、サンプル・データが少ないのでしょうか、詳細データは公開されていません。私は、これからのSIサービスを支えるのは独立系ベンダーだと考えています。特に、中小ベンダーの活躍が不可欠です。中立公正で、信頼にたる中小ベンダー・ベンチマーク・データが欲しいものです。SIサービスを革新するには、一部ベンダーの寡占を破って、競争原理を入れる以外にありません。そのキーは、中小ベンダーであり、顧客企業が安心して選定するための情報が必要なのです。ただし、役所では、駄目です。寡占を進めるだけです。