日経 13/3/8

アグリゲーション・サービス(NTTD)(NRI)

日経によれば、NRIとNTTデータが提携してネット上でのアグリゲーション・サービスを開始するという。
米国ではAccount Aggregation Serviceといい、一人の顧客が複数の金融機関に保有する口座の残高はや異動明細を集中管理するサービスである。
顧客にとっては、一社に委託すれば自分の指定した複数の金融機関の取引状況を一括管理できる。受託する側は顧客の主要な金融資産情報を管理できるし、資産運用のコンサルティングや自社商品を優先的に取引してもらう可能性が高まる。
このサービスは複数の金融機関から取引情報を収集する機能と、それをファイルに保管する機能,各種金融情報を提供する機能,取引指図を代行する機能によって構成される。
今回公表された二社のサービスは収集・保管とされているが、このサービスに月額数千円,数万円を支払うような顧客は限定されるだろう。
また、特定の金融機関の色がついたサービスであれば顧客が望む中立性が失われる。さらにプライバシーやセキュリティに対する顧客の不安を拭い去るには、大変な努力も必要となるだろう。むしろPC上の資産管理ソフトから自動的に指定口座の取引情報を収集する方が、顧客のコスト負担,セキュリティ不安などから普及の可能性が高いだろう。
仮にPCソフトよりもネット・サービスの方を顧客が選択するとしても、絶大な信用と中立性を望まれることになる。米国ではIntuit社,マイクロソフト社,AOLなどが参入している。一方、顧客とのコンタクト・チャネルの主導権を奪われる危険を感じたシティやチェースなどの大手銀行も参入を開始した。結局は乱立して、顧客としては複数の集中管理サービスを受けることになるだろう。
取引情報集中管理と資産運用管理のビジネス・プロセスを顧客視点で分解しなおし、顧客の選択肢を増やす方向でビジネス分野を再定義する必要があるだろう。筆者の個人的見解では、税理士がフィナンシャル・プランナーのような顧客サイドに立ったサービス・プロバイダーが中核になると考えている。または地方銀行のように、特定市場の圧倒的ドミナントを確保している金融機関が優位である。単純な決済関連小口取引サービスでは月額手数料を払う顧客は少なく、提供側にとっても事業の採算確保は至難と思うからである。