振込み 電子メールで

イーバンク
口座番号の入力不要。手数料、個人なら数円

日経新聞 平成13年2月16日(金)朝刊

決済のネット化が既存手数料体系に与える影響

奇しくも同じ日付の日経に、決済サービス・ネット化に係わる記事が二つ掲載されていた。
一つはGS証券とUBS銀行がネットによる企業向けの外為取引手数料を無料化したとのニュースであり、もう一方は設立準備中のイーバンクが米国のネット決済会社(銀行ではない)であるペイパル社と提携して、簡便かつ超低料金の振込サービスを行うという計画を紹介している。
12,3年前、大蔵省のある委員会で筆者が報告をした際に、金融取引の24時間化に触れたことがある(当時、既に国際化した企業では定着していた)。
時の銀行局最高幹部が24時間化の必要性を疑問視する反対意見を述べ、銀行界代表者も同調したので「国内か、それも身の回りしか見ていないな」と思った記憶がある。また、10年近く前の証券業界協会トップセミナーで「取引所の機能は小型コンピュータで簡単に代替できる。ついては、売買手数料が自由化されたら仲介主体の証券会社はひとたまりも無い。」と話したところ、数人の証券経営者から強烈な非難を受けたことがある。

組織の上になるほど、守旧的な人々が多いことが日本の弱点である。
環境激変の時こそ経営トップの革新的行動とリーダーシップが必要なのだが、今日の兜町を歩くと、シマに架かる看板が10年前とは全くの様変わりであり、”時代の流れには抗し切れないものだ”とつくづく感じる。

では、為替手数料についてはどうしたら良いのか。
答えは簡単である。
単純な取引はコモデティとして限りなく手数料を低くすることである。でなければ、他の付加価値の高いサービスとバウンドルすることである。但し、決済は標準的であることが不可欠なので、バウンドル戦略では顧客は限定される。
手数料を低くする方法は明瞭である。これは、事務処理コストと与信コストから構成されているので、それを最小化すれば良い。但し、日本の場合は振込銀行には印紙代が必要であるが。(この問題は消費税との二重課税の可能性および税収入における必要性などの視点から別途議論を必要としよう。)
事務処理コストはネット化し、顧客にデータ入力をさせれば大幅にコストを軽減できる。与信コストは、顧客の信用度を判断するための情報と審査技術に依存する。それこそ銀行の根源機能である。その能力が高ければ与信コストは下がるので、手数料も安くなるのが自然である。逆も真と言える。
上述のペイパル社では、顧客の取引実績と支払い方法に応じて振り込金額に数段階の上限を設けている。その上限も$250,500,100等と少額である。
加えて、損害保険を付けて自社と顧客を守ろうとしている。
結果として手数料は$15以上の口座間振込の場合で、1.6%+30¢。
$15未満ならたったの30¢である。

今後は、振込を小分けにしたり逆にネッティングすることで支払い手数料の総額を抑制するサービスも出現しよう。その場合銀行に残るのは、ネッティングされた後の最終尻を精算するだけの機能となるのか。決済機能を銀行の戦略にどう位置付けるのか。興味は尽きない。(島田)

外為取引の手数料無料

地方顧客も的(ゴールドマンやUBS銀)