窓販が浸透
日経金融新聞 平成12年12月21日
地銀の投信残高

地銀の投信残高が急伸して、9月末で1月末の3倍の6,088億円になったという。
わが国個人の金融資産を間接金融から直接金融にシフトさせるためにも、銀行の資金運用難を補完するためにも、銀行の手数料ビジネス拡大のためにも極めて良い傾向と言えよう。
しかしながら、その残高6千億円というのは投信市場の1%台を占めるに過ぎず、またMMFや中国ファンドなどが中心である。まだまだ拡大する筈であり、そうなって欲しいと願いものである。
一般的に窓販で扱う投信商品数は10本程度が適当と言われている。
しかし、残高の多い千葉銀行,横浜銀行,静岡銀行,泉州銀行などは20本以上を品揃えしている。その上で顧客に安全性の高い商品を推奨しているようである。
事実、投信協会の調査でも新規に投信を購入した契機の60%程度が銀行・証券の社員に勧められたからだとしている。更に20%が金融機関からの電話やDMがきっかけだったとしている。投信の広告や新聞等の記事よりも、その影響力ははるかに大きい。地銀が投信窓販を本格化したとなると、各投信会社も販売提携を一段と強化しなくてはなるまい。現在、野村・大和・日興がほぼ全ての地銀と販売契約をしており、次いで、興銀第一生命,パートナーズ,フィデリティが健闘している。

興味深い傾向を2,3紹介すると、

  1. 大和,パートナーズは、提携先に対しての多くの(場合によっては20本以上)商品を提供しているのに対し、他社は1〜3本程度と商品を絞っている。
  2. 地銀にとっての幹事証券,友好都銀,友好生保というこれまでの関係は必ずしも窓販提携とは直結していない。事実、各行ともにほぼ全ての大手投信会社商品を扱い、一方では地銀と関係が深いと東京三菱系,富士系,日生系,明治生命系はそれまでの関係を活かし切れていない。つまり、営業力と商品力さえあれば、投信会社としては有力な販売チャネルが手に入るのである。
  3. 投信協会の調査によれば、投信の購入目的は第一に余裕資金の運用であり、ほぼ同等の重みで老後の生活資金である。ついては、MMFなどのローリスクで預金より高金利を謳うだけでは取引の継続性にかけるだろう。現在の銀行窓販による解約率は、20%未満と証券経由よりもはるかに低い。この取引特性を意地強化するためには、老後の生活資金という運用目的を顧客の世代特性とセットしたようなマス・カストマイズした商品開発が必要であろう。
地銀の投信残高3倍 1月比 9月末、6000億円超に