個人ローン、地銀と提携 日経 平成12年11月15日

モビットと地銀との提携

このビジネス・モデルは、山口銀行などの地銀がモビットに個人ローン審査を委託し、自行は顧客に17.5%で融資するというものである。その債権は、モビットより債務保証を受けることで信用リスクを極小化する。即ち、貸出金利からモビットへの審査手数料と保証手数料(10%弱程度と推測される)の差額が収入となる。モビットとしては、営業網拡大を図れ、資金調達コストなしに手数料収入を実現できる。審査にはプロミスが保有する個人向け無担保融資のノウハウが使われる筈である。とすれば、消費者金融大手の標準的貸し倒れ率である3%が信用コストであり、地銀からの手数料との差額が収入となる。加えて、代理弁済後の求償権のうち回収できるものがあれば、それも純収入となる。更に、消費者金融のノウハウを活用して、事故顧客をうまくフオローすれば、自社の顧客として取り込むことも可能であろう。
こうしてみれば、顧客・地銀・モビット三者ともに良い事だらけに見える。留意すべきは、個人向け使途自由の無担保ローンの金利が競争等により低下した場合、どこまで地銀側が耐えられるか?また、銀行の本来業務である信用リスク負担を提携先に依存し続けることで、与信技術獲得を永久にあきらめるのかという深刻な問題もあろう。または、この提携によるローンをエントリー商品と位置付けて、他の自行商品とのクロスセルを行なう仕掛けを用意するのか。または、モビットから代弁後の債権を買取り、サービサー収入を狙うのか。いずれにせよ、信用リスク・コストと回収コスト最小化が、このビジネスの継続的成功要因となるのは間違いない。

筆者は今回のような提携に賛成の立場であるが、上述のような営業戦略が地銀にあることを望むものである。さもなければ、ますます銀行としての存在意義が薄れていくことになる

山口銀・泉州銀の無担保ローンの枠組み